インタビュー記事で理解を深めて送客を実現、学生ライターの教育にもこだわる「STUDY HACKER」事例

インタビュー記事で理解を深めて送客を実現、学生ライターの教育にもこだわる「STUDY HACKER」事例

愛のないコンテンツマーケティングに未来はない――そんな強い思いでコンテンツマーケティングに取り組むナイルでは、「愛」に満ちたコンテンツマーケティング施策を展開している企業をシリーズで追っていく。

Vol.05は、東京・京都を拠点に教育事業を展開する株式会社恵学社。中でも注目されているのが、2015年にスタートした英語のパーソナルトレーニングジム「ENGLISH COMPANY」だ。SLA(第二言語習得研究)と呼ばれる「言語習得の科学」をベースにしたメソッドで、わずか3カ月でTOEIC400点アップを実現。急成長を遂げている。

そんな恵学社が運営するオウンドメディアが「STUDY HACKER」。「学び」に関するノウハウや体験記など、さまざまなコンテンツを提供する。記事作成の主な担い手は東大と京大の学生。学生とはいえ、その構成力とコンテンツの質の高さは、プロのライター顔負けのレベルである。そこには、教育事業会社ならではの独自のコンテンツ作成技術やライター育成論があった。代表取締役の岡健作さんと運営チームの山口健人さんに、「STUDY HACKER」の狙いと展望を語ってもらった。

「愛のないコンテンツマーケティングに未来はない」連載一覧 Vol.1スペースを通じて「新しい体験を売る」~”活用事例集”としてのオウンドメディア「BEYOND」
Vol.2LINEをコンテンツ作りに活用、700超のQ&Aで毎月30人の新規獲得に貢献する「町田美容院の知恵袋」
Vol.3マーケティングは理屈より、人と人とのコミュニケーション~飲食店オーナーを支援する「Foodist Media」
Vol.4「決定者が多いと、つまらないものしかできない」BAKE阿座上さん・塩谷さんに聞くオウンドメディア成功の秘訣
Vol.5 インタビュー記事で理解を深めて送客を実現、学生ライターの教育にもこだわる「STUDY HACKER」事例
Vol.6アサヒビールがオウンドメディアで挑んだ、内外とのコミュニケーションの活性化
Vol.7“純度の高いコンテンツ”が結果を生む!DODA「”未来を変える”プロジェクト」の徹底的な環境づくり
Vol.8「予約ラボ」が数字ではなくユーザーを追い続けたことで得られた意外な成果
Vol.9“店長ブログ”がCVに効く!「NOMOOO」「KURAND」が見つけた実店舗とオウンドメディアの連携

SLA(第二言語習得研究)のメソッドとは?

――まず英語のパーソナルトレーニングジム「ENGLISH COMPANY」の核になっているSLA(第二言語習得研究)についてお教えください。

岡:SLAとは、人が第二言語(外国語)を習得するメカニズムを研究する学問です。効果の上がりやすいトレーニング方法や、逆に効果の上がりにくい方法についても明らかになってきています。私たちは、この学問の成果を軸に、できるだけ効率よく英語を身につけるメソッドを考えました。

「ENGLISH COMPANY」では、この学問で得られた知見を基に、独自のトレーニングメソッドを構築し、トレーナーはこのメソッドに基づいて効果の出やすいトレーニングを提供します。

現代の教育は努力や精神論に偏りがちだとずっと感じていました。そこでSLAの話を聞いて、テクノロジーと教育理論をきちんと融合させれば、教育の手法をもっと合理的、効率的にできるのではないかと思ったのです

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「ENGLISH COMPANY」のサイト

広告を使わないで集客ができる理由

――「STUDY HACKER」は、「ENGLISH COMPANY」への集客が目的で立ち上げたのでしょうか。

岡:もともと予備校部門への集客を目的とした、受験生向けのメディアとして運営していたのですが、ビジネスパーソンの読者の方も意外と多かったので、大学生・社会人向けの「STUDY HACKER」と受験生向けの「STUDY HACKER for Students」と明確に2種類のメディアに分けることにしました。「ENGLISH COMPANY」だけでなく、予備校の「学び舎東京」「烏丸学び舎」などへの集客を目的としています。まだ他にも参入したい分野はあるので、「STUDY HACKER」を拠点に随時準備をしていきたいと考えています。

――実際、集客にはどの程度貢献しているのでしょうか?

岡:「ENGLISH COMPANY」は現在、「STUDY HACKER」上の記事のみで集客を行っていますので、その点では非常に貢献してくれています。実感した大きなメリットは、長い文章で読者の方に納得できるまでじっくりと読んでもらえる場(メディア)がある、ということです。一過性の広告ではここまで深く理解してもらうことは難しいですからね。また広告で認知獲得ができればすぐ来てもらえるというわけでもないので。何かしら勉強をしたいという6万人の潜在顧客(Facebookページのファン)に向けて濃い情報を提供できていることが大きいと思っています。

精神論が主流の教育界を変えていきたい

――SLAの理論をはじめ、「STUDY HACKER」には「学び」に関するノウハウが盛りだくさんですが、読者には何を伝えていきたいと考えていますか?

岡:教育界は精神論が主流なので、教育全体を見たときに科学的かつ合理的に無駄を省いてやっていきたいという思いが強くあります。精神論や根性論ではなく、科学的・論理的に効率よく学べることを伝えていきたいですね。 大学の先生は研究がメインで、現場での実践はどうしてもサブになります。だから、私たちのような民間企業がSLAのような研究成果を現場に落とし込んでいければと思っています。そうすれば教育界にも影響は与えていけるのではないかと。

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集客を目的にスタートしたオウンドメディア「STUDY HACKER」

コメント付きでシェアされることが、読者の役に立った証

ーーコンテンツ制作において特に重視するKPIはありますか?

岡:コンテンツを作っていて、みんなが受け入れてくれるものは何か? と考えたとき、やはりPVよりFacebookの「いいね!」を見ています。PVを稼ぐだけなら釣りタイトルでもできますが、それでは意味がない。特にコメント付きでシェアするというアクションは、読者の役に立った証だという意識でやってます。

ーーオウンドメディアの運営で特に苦労していることはありますか?

岡:もともとメディアの制作においては素人なので、苦労はたくさんありましたよ(笑)。最初は制作を外注したのですが、うまく回らなかったので内制化することにしました。私たちがメディア制作のプロだったら、的確な指示ができたでしょうから、逆に外注をうまく使っていたと思います。 内制化にあたってはエンジニアと編集者を採用しました。やはりスピード感が違うし、同じ目標をもった人とやりたかったんです。外注を起用すると、私たちが「お客さん」になってしまうので、外注先の方はどうしても私の顔色を窺うようになるんです。同じ方向を向いた社内スタッフなら、マーケティング視点で冷静に考えて判断していけばいいので合理的ですよね。

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精神主義に偏りがちな教育界を変えていきたいと熱く語る代表取締役の岡さん

人気が高いのは、いつでも調べられるストック型コンテンツと体験談インタビュー

ーー実際にどんなコンテンツがユーザーに好まれていますか?

岡:はやり言葉辞典」という毎日1本出している企画があるのですが、これはけっこう柱になっているコンテンツです。単なる用語解説に留まらず、実際にどんな場面で使うのかとか、語源に関するトリビアとか、用語に合わせて中身も練っているので、苦労しながらがんばって書いてくれています。いつでも好きなときに調べられるストック型コンテンツとして、読者の方からの支持は高いです。 あと、特に人気の高い企画は「ENGLISH COMPANY」での受講生の方と担当トレーナーへの体験談のインタビュー記事です。いつも数千の「いいね!」を獲得していますよ。

ライターやインターンを育てるのも、教育事業を営む私たちの仕事

ーー山口さんが「STUDY HACKER」の運営スタッフとして、最も苦労していることと、やりがいを感じることは?

山口:記事のテーマ探しはやはり苦労していますね。最初は時間が結構かかったりします。だから、私たちもライターを交えて勉強会やネタ収集のための会議を開いたりしています。現在は月70本くらいの記事を更新していますが、15人くらいのライターで回し、1人あたりの本数に無理がないようにしています。最近は各自にチーム意識が出てきて、モチベーションが高いので、うまく回していってもらっている感じですね。

やりがいという点では、「STUDY HACKER」を支えるライターの多くが学生さんなのですが、執筆をした経験が就職活動で箔がつくらしく、それを聞くとうれしいですね。電子書籍化された記事もありますし、就職に有利になって羽ばたいてもらうのがとてもうれしい。「STUDY HACKER」が働く場としても価値のあることを自ら実践してくれているのは、本当にありがたいです。

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学生時代から教育関係の仕事をしたいと考え、念願叶ってパーソナルトレーナーを務める山口さん

ライターやインターンを育てるのも、教育事業を営む私たちの仕事なので、「STUDY HACKER」というメディアを通じて、学生さんが成長していくのが実感できるのは大きな喜びです。いまやオウンドメディアを運営する企業も多いですが、どこもライターの確保には苦労していると思うんです。そういう意味では、私たちは教育のプロなので、最初はうまく書けない人でも書き方を教えるロジックが体系づけられている。そこはコンテンツを発信するうえで有利だと思います。 また教育系のメディアなので、東大生や京大生がライターとして参加しているのは、ターゲットにも近く親和性が高いとも思います。

教育だからカッコ悪くてもいい理由は何もない

ーー「STUDY HACKER」は、一見「教育」らしからぬクールでおしゃれなデザインが特徴的ですが、これはどういう意図からでしょうか?

岡:私は教育業界云々という前に、なんでも「カッコいいほうがいい」というのが大前提だと考えています。服を買いにいくときわざわざダサい服を買いたいという人はいませんよね(笑)。それと同じです。教育だからカッコ悪くてもいい理由は何もないですから。「チャラチャラしていたら成績が落ちる」とか、「教育なのになんでカッコよくするんですか?」と言われることもありますが、そんな言葉がでること自体が、日本の教育界に、まだまだ“修行”みたいな考えが強いからだと思います。

スタッフにはいつも、「休日は街に出てトレンドをキャッチしないとダメだ」と言ってます。私自身、よくルミネとか女性向けのショッピングモールにも出かけていますよ。たとえば、「ENGLISH COMPANY」も教室だけおしゃれにしても、トレーナーの控え室がダサかったり、汚かったりしたら意味がない。隠れている場所こそおしゃれにしたいんです。見えないところをダサくすると、そういうのは表でどんなにカッコつけても出てしまうんですよね。結局みんなのマインドがそうなっていないと、中身がない薄っぺらいハリボテになっちゃいますから。教育だからって、堅苦しくしなきゃいけない理由は何もないんです。それがブランディングということだと思います。たとえば先生の紹介ページがおしゃれだったら、やはりそういう雰囲気が好きな先生や受講生が応募してきてくれるんです。

大切なのは、コンテンツで読者の行動が実際に変わっていくこと

ーー「ENGLISH COMPANY」や「STUDY HACKER」の運営において最も大切にしていることは?

山口:メディアとして大切にしているのはコンテンツの質です。質の良さとは、記事を読んだみなさんの行動が実際に変わっていくことだと思います。みなさんが勉強を通じて、その先にある生活で成し遂げたい夢やキャリアをサポートできるのが一番の喜びなので。

岡:「ENGLISH COMPANY」でこだわっているのは、とにかく「結果を出すこと」ですね。できるようにならなければどんなことも意味がない。それがないと私たちのビジネスには価値がないので。教育は往々にして生活指導やコスト削減などに逃げがちですよね。私たちのビジネスでは、「いい生徒になりました」「コストが下がりました」といくら言っても、結果が出なかったら、まったく意味がないですから。

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STUDY HACKER

ENGLISH COMPANY

学び舎東京PLUS

学び舎東京

烏丸学び舎

Editor's EYE

英語のパーソナルトレーニングジム「ENGLISH COMPANY」のユニークさは「3カ月限定」ということだろう。次のステップは本人次第、ということで1回切りで終了。そして、その3カ月で必ず結果を出す、という根拠に基づいた自信にあふれている。

それはオウンドメディア「STUDY HACKER」にも現れている。「ENGLISH COMPANY」のメソッドがSLA(第二言語習得研究)の知見を駆使した、科学的なものであるように、「STUDY HACKER」もまた、非常に科学的に構築されたメディアである。そこには付け焼き刃的なスキルアップのための「英語習得術」などはない。「学ぶ」という本質的なテーマに真っ向から向き合っている。

「私たちはメディアの素人」と言う岡氏だが、「教育のプロ」であることを存分に生かして、それを上手にメディアに反映させている。それは、山口氏の「みなさんが勉強を通じて、その先にある生活で成し遂げたい夢やキャリアをサポートできるのが一番の喜びなので」という言葉に集約されている。

ユーザーのメリットが何かを第一に考え、彼らの望む方向へ導くという意味では、メディアも教育も目指す目標は同じなのだ。

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著者紹介

成田 幸久(なりた ゆきひさ)
成田 幸久(なりた ゆきひさ) コンテンツディレクター(コンテンツマーケティング戦略支援・制作支援)

AMEX会員誌『IMPRESSION』、『ワイアード』日本版、JAL機内誌「winds」などで副編集長を務めた後、眞鍋かをりなどの著名人ブログをプロデュース。ほか『ギズモード・ジャパン』創刊ディレクター、セブンイレブンとヤフーの共同事業メディア『月刊4B』編集長、オウンドメディアのアドバイザリー支援など、Webメディアの企画・運用など実績多数。

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